その「水」は本当に大丈夫? 〜透き通ったカフェインの痕跡〜

これから暑くなる季節。水分補給はとても大切ですね。そんな季節には気軽に買える飲料が活躍することでしょう。カロリーや後味、色などを気にして、水やフレーバーウォーターを買い求める方も多いのではないでしょうか。

水そのものは通常、カフェインを含まないものなのですが、近年は、カフェインを含むフレーバーウォーターが発表されたり、元々カフェインを含む飲料から色を無くし、水のように見せかけた商品も出てきています。

今回は、一見すると水のようで、実はカフェインの危険性がある飲料について取り上げます。その前に「カフェイン」と色の関係にも触れておきます。

カフェインを含むものって茶色い印象があるけれど?

カフェインを含むものと言えば、コーヒー、烏龍茶、コーラなど…何だか妙に茶色いものが多いような気がしませんか? しかし、だからと言って「カフェインを含むものは全て茶色い」と言うのは、かなり無理があります。

もし、そのように言い切ってしまうとなると、麦茶が何故ノンカフェインであるかを説明出来なくなるでしょう。また、緑茶や紅茶など、茶色くないものにカフェインを含む理由を見つけるのが難しくなります。

つまり、カフェインを含むものに茶色が多いという印象を受けても、その色なら全てそうだという訳ではありません。あらぬ疑いをかけてしまうことにもなりますね。

Wikipedia「カフェイン」の項によると、カフェインそのものは白い物質で、その写真も掲載されています。カフェイン自体はカフェインを含むものが持つ色を決めている訳ではありません。

そのように考えると、透明な水と思って見ていても、実はカフェインを含んでいた…なんてことがあっても不思議では無いのです。

透明な紅茶が日本で登場した

2017年4月、サントリーから「プレミアムモーニングティーレモン」というフレーバーウォーターが発売されました。名前を見なければ水と思ってしまう見た目ですが、紅茶葉を使用しており「透明な紅茶」と位置づけられています。

味はレモンティーで、朝でも飲みやすいことを売りにしているようです。透明のペットボトルからも、色が無く透き通った商品が分かります。

この商品を手に取ってみると分かるのですが、同社では紅茶葉とは別に「カフェイン」を原材料欄に記しています。つまり、この商品には茶葉だけを使った以上のカフェインが含まれることを示しているのです。

同社は以前から、公式サイト上で全ソフトドリンクのカフェイン含有量を開示しており、この商品の販売開始直後に「100mlあたり約10mg」という数値を公表しました。1本550mlで販売されているので、全て飲めば約55mgのカフェインを摂取することになります。

イギリスでは透明なコーヒーまでも登場

日本には上陸していませんが、CLRCFFという企業が開発した”Clear Coffee(クリアコーヒー)”という商品がイギリスを中心に販売されているという情報が入りました。ハフィントンポストやねとらぼなどといったWebサイトが大きく取り上げています。

同社公式サイト(オンラインショップも兼用)によると、Clear Coffeeは世界初の「色の無い(colorless)コーヒー」で、最高級のアラビカコーヒーの豆と純粋な水を使っているとあります。また、原材料は水、コーヒー、カフェインとありました。

商品は透明な瓶に入っています。100mlあたり50mgものカフェインを含んでいるため、1瓶(200ml)飲むと実に100mgものカフェインを摂取することになります。そのため、子どもや妊婦、カフェインに敏感な方は避けるようにと注意喚起しています。

2本パックが5.99ポンド、5本パックが14.99ポンドで販売されています。2017年6月8日現在、商品の売れ行きが好調のようで、注文しても3〜4週間待ちとなっています。販売エリアはイギリスやアメリカ辺りとなっています。

明らかにされない透明化の技術

ここまで2つの商品を取り上げましたが、どちらも透明(色が無い)を売りとしていながら、どのようにして色を無くしたのかについては触れられていません。

プレミアムモーニングティーレモンは「紅茶葉の華やかな香りを抽出した」と述べるに留まっています。一方、Clear Coffeeは「これまで決して使われなかった製法を使った」としているものの、具体的な方法への言及はありません。

私は濾過(ろか)や蒸留、吸着などといった方法を考えましたが、それらが正解かどうかも分かりません。そんな中、過去に友人宅に遊びに行った時に目撃したものを思い出しました。

当時、友人は出産してから1年も経っておらず、子どもの離乳食が始まった位の頃でした。暑い日だったので、友人は子どもにストロー付きの容器で飲み物を与えていました。色が付いていなかったので、私はてっきり水だと思いました。

ところが、友人は「実は赤ちゃん用の麦茶なんだよね」と話しました。聞けばその子どもの月齢だと、通常の麦茶では濃すぎて内蔵に負担がかかるとのことで、水で麦茶を薄めている話していました。

このことを思い出した時、もしかしたら上記の2商品から色を無くした方法としてあり得るかも知れないと思いました。勿論、これもあくまで推測であって正解とは限りません。実際にどのような方法が取られているのかが気になるところです。

カフェインは足され過ぎていないか?

プレミアムモーニングティーレモンの特設サイトには、同商品にリプトンの茶葉が使われている旨が記されています。サントリーではリプトンの茶葉を使ったペットボトル入りの紅茶飲料を複数種を販売しています。

これらの商品のカフェイン含有量も開示されており比較してみると、一部の商品でカフェイン含有量が100mlあたり10mg未満のものが見つかりました。プレミアムモーニングティーレモンは約10mgとあり、同商品はわずかとは言え含有量が多いことが分かりました。

10mg未満とあった商品の中にはレモンティーも含まれていました。同じ量で比べた場合 、見た目で紅茶と分かるものの方がカフェインが少ないケースもあることには驚きますよね。

一方、Clear Coffeeは100mlあたり50mgのカフェインを含むとありますが、Wikipediaの「カフェイン」の項にあるコーヒーの数値を100mlあたりで換算して考えると、割と高い含有量であることが分かります。

インスタントコーヒーの抽出液では100mlあたり約26mg、豆から抽出したものであれば約40mgとなります。条件によって実際の数値の変動はあると考えられますが、Clear Coffeeでの数値の高さが目立ちます。

今回取り上げた2商品がどのような製法で作られているのかは分かりませんが、味や刺激などの面からカフェインが少ないと判断したのでしょうか、結果的に本来の商品よりもカフェイン含有量が多くなっていることが見て取れます。

カフェインを受け付けない方にとっては何とも残念な事態でしょう。

今月のまとめ

日本では、水やフレーバーウォーターの人気が高まっていますが、その中にカフェインが含まれる事例が見られるようになりました。本記事最初の投稿時には、紅茶の茶葉を使い、レモンティーの味がするものが店頭に並んでいます。

海外では色の無い透明なコーヒーを作って販売しているケースもあります。人気と注目が集まってか、3〜4週間待ちという状況が続いているようです。

これらの商品は製法が明かされておらず、様々に方法を考えても憶測の域を脱することは出来ません。ただ、そのような製法を取ることでカフェインの不足を感じるのか、どちらの商品にもカフェインを添加しています。

その結果、本来の形で摂るよりも多いカフェインが含まれ、メーカー側から注意喚起がなされる事態ともなっています。これらのような商品を手に取る時は、透明だからと言って安心するのは問題であると言えるでしょう。

【参考ウェブサイト(ページ)】

◉ Wikipedia「カフェイン」
◉ サントリー「プレミアムモーニングティー」ブランドサイト
◉ 同 お客様センター Q&A 「『サントリー天然水 PREMIUM MORNING TEA レモン(プレミアムモーニングティーレモン)』にカフェインは入っていますか?」
◉ 同 ソフトドリンクの栄養成分一覧表
◉ CLRCFF (※ 英語およびスロベキア語サイトです)
◉ ハフィントンポスト「夢の透明なコーヒー、ついに発売される その味は?」
◉ ねとらぼ 「世界初“透明なコーヒー”謎製法で爆誕 歯が汚れにくいメリットも」

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