オーラルケアに御用心 〜カフェインを口にすることへの新たな見方〜

カフェインで体調を崩す方の多くは、カフェインを含むものを「食べたから」「飲んだから」そうなった」と答えるでしょう。また、カフェインを含むものを「触ったから」「吸い込んだから」と答える方もあります。

カフェインを含むものを口にしないためには、カフェインを含むものを「食べる」「飲む」ことをしなければ良いと考えますが、残念ながら「食べる」「飲む」以外にも口にする場面はあるのです。

虫歯や口臭などを防ぐために、食後に歯を磨いたり、口をゆすいだりしますよね。その際、歯磨き粉や洗口液、液体歯磨きなどを使う方が多いかと思います。

様々な歯磨き商品がありますが、実はその中にカフェインを含む疑いのあるものが複数見つかっているのです。「食べる」「飲む」とは違った「口にする」状況が実際にあるのです。

そこで、今月は「オーラルケア(口のケア)」から見える、カフェインを含むものとの関係を探ってまいります。(本記事では「カフェイン」についての言及を主とし、他の成分への言及は控えます)

増えつつある!?「緑茶成分」入り商品

日本歯磨工業会の統計によると、平成28年の歯磨き類の出荷総数は約5.3億個になったそうです。前年よりも約2,400万個(約4.8%)増えたとあり、歯磨きに対する関心の高さも垣間見えます。

また、出荷総数の内、練ってある(半練りの状態も含む)歯磨き粉は83.5%、液状のものは16.5%だったことも発表されています。店頭で見ると、まだまだ練ったものが主流でありますが、液状のものもどんどん増えている印象を受けます。

さて、カフェインを想起させる商品に関する統計は見当たりませんが、そのような商品は練った状態でも、液状でも見受けられます。その際に見られる文言が「緑茶成分」「チャ葉エキス」などといった、お茶(チャ)に関するものなのです。

中には「茶カテキン配合」と前面に押し出したものもあり、今後もこのような商品が拡大するのではないかと考えています。

チャの木の葉から作られるお茶にはカフェインが含まれることはご存知かと思います。歯磨きで使う商品の量は、お茶として飲むことを思えば微量だと考えられますが、全く心配が無いとは言い切れません。

冒頭にも綴ったように、カフェインを含むものを触ったことで体調を崩す方もあります。歯磨き商品を口にするということは、それが口の中に触れることでもあります。口の中が粘膜であることも考えると、より慎重な商品選びが必要になるでしょう。

知っておこう 「洗口液」と「液体歯磨き」の違い

近年増えている液状の歯磨き製品ですが、「デンタルウォッシュ」「マウスウォッシュ」「デンタルリンス」など様々な呼び方があり、その違いがよく分からないと仰る方もあると思います。

液状のものは大きく2つに分類され、それぞれ「洗口液」と「液体歯磨き」と呼ばれます。様々な呼び方はあれど、パッケージには「洗口液」か「液体歯磨き」のどちらかが記載されています。そこで商品の性質を判断すると良いでしょう。

「洗口液」は「口をゆすぐ」ということで、歯磨きをする時間が取れない時や、歯ブラシで磨いた後の仕上げをしたい時などに用いられます。

一方「液体歯磨き」は「液状の歯磨き」ということで、練り歯磨きの代わりに使われます。但し、口をゆすいだ後は必ず歯ブラシで磨くよう指示されています。「歯磨き」の部分は「ハミガキ」などと表記されることもあります。

日本歯磨工業会は平成28年度の歯磨出荷総数のうち、洗口液が9.4%、液体歯磨きが7.1%を占めたと発表しています。手軽さや刺激の少なさなどが好評なのでしょう。

チャに由来するものを含む液状の商品は、「洗口液」「液体歯磨き」共に販売されています。カフェインを気にされる方は、カフェイン要素が含まれているかどうかを確認し、かつ、用途がどのようなものかを理解した上で利用されるのが良いでしょう。

「洗口液」はカフェインを気にする方にとってリスクが多い!?

先の項目で「洗口液は口をゆすぐもの」「液体歯磨きは液状の歯磨き」ということを見てきました。チャに由来するものを含む液状の商品が存在すると分かれば、今一度「詳細な使い方」に立ち返る必要があります。

洗口液は口をゆすいだ後、特に何もする必要はありません。そうなると、ごく微量とは言え、洗口液が口の中に長時間付着することが考えられます。また、飲食物や唾液などと共に、残った洗口液が喉を通ることもありますね。

カフェインを触って調子を崩す方であれば、チャに由来する成分を含む洗口液で上記の事態が起きた際、何かしらの異変が起きても不思議では無いでしょう。

では、液体歯磨きならどうか?ということになりますが、口をゆすいだ後にブラッシングをするとあるので、そのまま放置するよりもカフェインのリスクは減るでしょう。しかし、リスクが完全に無くなると考えるのは難しいように思います。

どちらの商品にせよ、カフェインを気にされる方は十分に気をつけましょう。

チャ葉エキスは「保湿剤」としても使われる

さて、チャに由来する成分を含む歯磨き商品を見ていくと、チャ葉エキスが「保湿剤」として使われているケースが見受けられます。これは主に練り歯磨きでのものです。

歯みがき.jpの情報によると、「保湿」と聞くと「口の中を潤す」といったイメージも出るかも知れませんが、練り歯磨きにおいては「柔らかく練った状態(つまりペースト状態)を保つ」といった要素があるようです。

保湿剤を使わないと、歯磨き粉が固まったり分離したりするようです。これでは使いづらいですし、歯や歯茎、口の中を傷めてしまいそうですね。それらを防ぐ大切な役割をチャ葉エキスが担うこともあるようです。

チャ葉エキスをはじめ、チャに由来する成分は「収れん剤(歯茎を引き締める)」や「清涼剤(爽快感を与える)」などとしての使用もあり、練った状態や液状に関わらず、利用しやすいものなのかも知れませんね。

単なる偶然!? なた豆歯磨きには「チャ」が付き物であるかのよう

私はこれまで、様々な歯磨き商品を試してきました。その中で「なた豆」を使った商品を使ってみたいと考えているのですが、どうしたことか私が見た全ての商品で、チャに由来する成分が含まれているのです。

Wikipediaの「ナタマメ」の項によると、なた豆は昔から膿(うみ)を出す妙薬と言われており、歯周病や歯槽膿漏の改善にも有効であることが記されています。自然界のものとあって、化学物質を気にされる方にも好評のようです。

複数の記述で、なた豆自体はノンカフェインとあるのですが、歯磨き商品となると、先の「保湿剤」「清涼剤」などとしてチャに由来する成分が入るケースが多いです。確かに、チャそのものも自然界にあるものですからね。

くまなく探せばチャに由来する成分を含まない「なた豆歯磨き」もあるのかも知れませんが、出回っている数は少ないのでしょう。カフェインを気にされる方にとっては、なた豆だけで作られたお茶を口にする方が安全なのかも知れません。

今月のまとめ

「口にする」という行為には「食べる」「飲む」だけでなく、「歯を磨く」「口をゆすぐ」などの行為も含まれます。口の中をケアするにあたっては、カフェインを想起させる成分を含む商品があることに注意が必要です。

歯磨き商品には練ったものや液状のものがありますが、中でも「洗口液」は、口をゆすいで終わりとなるため、微量ながらも口に残ってしまったり、飲食物や唾液などと共に飲み込んでしまったりするケースがあります。

このような商品でカフェインを想起させるものが含まれていると、カフェインで調子を崩す方にとってはリスクが大きくなるでしょう。用途や目的が何かを考え、成分もしっかりチェックしてから商品を利用しましょう。

カフェインを含むもののうち、よく用いられているのは「チャ」で、保湿剤、収れん剤、清涼剤など、役割を持った状態で配合されているようです。歯磨き商品の出荷数が増えていますが、このような商品も増えていることを心にとめておきましょう。

【参考ウェブサイト(ページ)】

日本歯磨工業会「歯磨出荷統計」
歯磨き粉.jp 「歯磨き粉の基本成分」
Wikipedia 「ナタマメ」

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