増えるノンカフェイン風邪薬の選択肢 〜まだ十分だとは言わないが〜

食べ物や飲み物に限らず、医薬品の中にもカフェインが含まれる物があることは広く知られています。その中でも「市販の(西洋式の)風邪薬」は、カフェインを含まない物を探す方が難しい位ではないかと思われます。

私もカフェインを受け付けなくなってから10年以上が経過しました。その間、カフェインを含まない、または低減させている商品を多く見て来ましたが、市販の風邪薬に関しては、そのような商品が増えないどころか減っていった時期もありました。

ところが、2017年になって状況が一変しました。「ノンカフェイン」とは明言していないものの、カフェインを含まない風邪薬が増えたのです。成人用で言えば、これまで片手で数えられたものが、ようやう両手で数えられる程に増えたのです。

そこで今回は、どのようなノンカフェイン風邪薬が増えたのかを辿りつつ、ノンカフェインであることの意味や意義を考えてまいります。

※ 本記事では「カフェイン(無水カフェイン、カフェイン水和物)」に注目しており、他の成分に関する詳細な言及は行っていません。また、本記事で登場する医薬品は一般的な内容での言及にとどめるものとします。

本情報は2017年11月15日時点のものです。今後、商品リニューアル等により内容が変更される場合もございます。どのような商品であれ、お買い求めの際は、必ずご自身の目で商品の成分チェックを行うよう、お願いいたします。

カフェインが風邪の症状に対して出来ることとは?

医薬品でカフェインが使われる際、「無水カフェイン」または「カフェイン水和物」として使われることが多いです。これだけカフェインが使われているのであれば、カフェイン自体が風邪の症状に効果があるのだろうか?と思うことでしょう。

しかし、カフェインは無くても問題が無い可能性もあるのです。それは、大正製薬から販売されている2つの商品から推測出来るかと思います。

まず、同社から2017年より発売された新シリーズ「パブロンメディカル」は、「のど」「せき」「はな」と症状を細かく分けて、それぞれに見合った成分を調合して販売しています。しかし、カフェインは3商品共に含まれていません。

もし、カフェインが特定の風邪症状に直接作用するとなれば、シリーズの中でカフェインを含むものが1つでもあるはずでしょう。それが無いとなれば、カフェインはそれ以外の何かに対して効果を発揮すると考えるべきではないでしょうか。

次に、同社の「パブロンkidsかぜシリーズ」では「子どもの眠りを妨げるカフェインを含まない」といった文言を明記しています。これは裏を返せば「カフェインは眠気を覚ますために使われることがある」ことを指し示しているのです。

風邪を引いた時は十分に休息を取るべきであると広く言われています。休息を取るには眠ることが大切です。そのように考えると、眠気を覚ます効用があるカフェインは、本来であれば風邪薬に要らないものとも考えられます。

それでも多くの商品でカフェインを使うのは、仕事などで休めない「ここぞ」という時に使って欲しいという意図や、眠気を強める他の成分の効用を抑えようとする目的があるのではないかと、素人ながらでも思えるのです。

「風邪を引くと頭が痛くなるからカフェインが必要だ」と仰る方もあると思います。しかし、カフェインを含まない頭痛薬(鎮痛剤)は割と多く出回っています。そのことも「風邪薬にカフェインは絶対不可欠」とは言えない要素になるでしょう。

大正製薬は実はノンカフェイン風邪薬に力を入れていた?

冒頭に「市販の風邪薬は片手で数えられた」と綴りましたが、その時代から販売されていた商品のひとつに「パブロン50」があります。その当時は錠剤しか見ることが無く、取り扱っている薬局やドラッグストアはかなり少なかったです。

それが現在では、顆粒タイプも販売され、体感的ではありますが、取り扱う場所も徐々に増えてきたように思います。漢方薬の麦門冬湯(ばくもんどうとう)をベースに、西洋薬とも融合させ、咳や喉の不調に焦点を絞った商品とされています。

大正製薬では長年「パブロン」ブランドで様々な風邪薬を製造・販売していますが、ここに来て、成人用でカフェインを含まない商品が続々と登場しているように思います。

前述の「パブロンメディカル(T[せき]、C[のど]、N[はな] いずれも錠剤)」「パブロン50(錠剤、顆粒)」の他、「パブロンSゴールドW(錠剤、微粒)」「パブロンエースPro(錠剤、微粒)」もノンカフェインの風邪薬となっています。

「パブロン」シリーズの中には、カフェインを含むものもあるため、カフェインを何が何でも使わないという訳では無いようですが、ここまで選択肢が増えたというのは、カフェインを受け付けない方にとって希望の光となったことでしょう。

余談ですが、風邪を引いた際のドリンク剤として、医薬品から移行した指定医薬部外品の「パブロン滋養内服液」シリーズがあり、「パブロン滋養内服液」「パブロン滋養内服液ゴールド」共にノンカフェインとなっているようです。

他社も負けてはいられない ノンカフェインの風邪薬

成人を対象とした風邪薬ですが、大正製薬以外からも幾つか販売されています。

第一三共ヘルスケアから販売されている「ルルアタック」シリーズの内、のどの痛みと熱の症状に特化した「ルルアタックEX」は販売開始以来、ノンカフェインを貫いています。

「コルゲンコーワ」シリーズで知られる興和(こうわ)からは、漢方薬の麻黄(まおう)をベースとした「液体かぜ薬」「顆粒かぜ薬」がノンカフェイン商品として挙げられます。

武田コンシューマーヘルスケアの「ベンザブロック」シリーズの内、「せき止め液1回量飲みきりタイプ」「せき止め錠」「せき止め液」がノンカフェインであり、その旨も明記されています。

鎮痛剤を考えると、ノンカフェインの風邪薬を取り扱う企業やブランドの数は少ないですが、少しずつ増えている実感はあります。今後もこのような傾向が続くことを期待しているところです。

「ノンカフェイン」表記は強みになるはずだが

子ども用風邪薬となれば、ノンカフェインの商品の割合が高くなっています。「パブロンKidsかぜシリーズ」以外にもノンカフェイン商品はあり、「ノンカフェイン」と記載があるケースも多いです。

しかし、「ノンカフェイン」という記載は、成人用の風邪薬では限られた種類しか見られません。成人用鎮痛剤でもそういった傾向があります。

栄養ドリンクでは「ノンカフェイン」と明記された商品は多くあります。「一般的に栄養ドリンクにはカフェインが付き物」ということを示すと同時に、カフェインを求めない方への訴求効果を高めています。

そのような商品でも定番商品になったものがあることを考えると、風邪薬や鎮痛剤でもカフェインを含まないものに「ノンカフェイン」「カフェインを含まない」などと記載することは大きな強みになると、個人的には思うのです。

企業の皆様、カフェインを含まない商品であれば、子ども用だけでなく大人(成人)用にもその旨を記載しても良さそうなものですが、如何でしょうか?

今月のまとめ

市販の(西洋式)風邪薬でノンカフェインのものは、まだまだ数が少ないです。一時期は増えないどころか減る一方だったのですが、2017年になって続々と増えて来ています。

ノンカフェインの風邪薬が続々と登場すると「風邪薬にカフェイン(無水カフェインやカフェイン水和物)は本当に必要なのか?」という疑問も起きます。

現状でノンカフェインの風邪薬が多いのは大正製薬で、カフェインを受け付けない方にとって、風邪薬の選択肢を増やすことに大きく貢献しています。第一三共ヘルスケアや興和、武田コンシューマーヘルスケアからも商品が出ています。

子ども用となれば、ノンカフェインの風邪薬が増えるだけでなく、パッケージに「ノンカフェイン」といったことを記載していることが多いので、選びやすくなっています。

この記載は大人(成人)にとっても有益であるため、対象となる商品にはその旨の記載を強く求めるところです。

【参考ウェブサイト(ホームページ)】

◉ 大正製薬「パブロンメディカル」公式ページ
◉ 同「パブロンkidsかぜシリーズ」公式ページ
◉ 同「パブロン50錠」製品詳細
◉ 同「パブロン50顆粒」製品詳細
◉ 同「パブロンSゴールドW」公式ページ
◉ 同「パブロンエースPro」公式ページ
◉ 同「パブロン滋養内服液」公式ページ
(※ 指定医薬部外品です)
◉ 第一三共ヘルスケア「ルルアタックEX」(詳細)
◉ 興和「コルゲンコーワ液体かぜ薬」製品情報
◉ 同「コルゲンコーワ顆粒かぜ薬」製品情報
◉ 武田コンシューマーヘルスケア「ベンザブロックかぜ関連薬シリーズ」製品情報
(せき止め液1回量飲みきりタイプ、せき止め錠、せき止め液が該当)

LINEで送る
Pocket