健康を噛み締めろ 〜上手にガムと向き合う方法〜


口寂しさを紛らわせたい時や、気分転換を図りたい時などに、ガムを噛むという方は多いと思います。近年はガムの種類が増え、特定保健用食品(トクホ)の認定を受けた健康志向のガムも販売されているほどです。

以前であれば、「砂糖の塊だ」「行儀が悪い」などと余り良く言われなかったガムですが、科学的根拠を得た上で「脳が活性化される」「集中力が上がる」などといった良い効果が言われるようになりました。トクホのガムも、すっかり市民権を得ています。

そこで今回は「ガム」について、カフェインを気にされる方が注意したい事柄や、カフェインの含有量などを一緒に見ていくことにしましょう。上手に付き合えば、ガムへの不安や恐怖心も和らいでいくことと思います。

多い? 少ない? ガムのカフェイン含有量を知る

2019年1月のこと。「キシリッシュ(XILISH)ガム」を販売している株式会社 明治に、同社で販売している眠気覚ましタイプのガムに含まれるカフェインの量を問い合わせました。

ありがたいことに、快く、かつ、すぐに回答していただけました。粒ガムの「キシリッシュ ハイパークール」が眠気覚ましタイプのもので、1粒あたり約2.5mgのカフェインを含んでいるとのことでした。

実は2011年にも同じ問い合わせをしており、その当時は約2.2mgのと回答がありました。リニューアルを繰り返しながら販売されており、その中でカフェインの量の見直しがあったことが分かります。

さて、「2.5mg(2019年時点)」にしても「2.2mg(2011年時点)」にしても、「なんだ、どちらも少ないじゃないか」と思われた方も多いのではないでしょうか。

しかし、これはあくまで「1粒あたり」の話です。「私は1日1粒しか絶対に噛みません」という方であれば、これらの数字を文字通りに受け止めても良いですが、実際にはそうも行かないと思います。

粒ガムはその大きさから、1回で2粒まとめて噛むことも多いのではないでしょうか。中には「1回に2粒噛むように」とメーカー側から指示されるケースもございます。そうなると、弾き出された数字の2倍のカフェインを摂ることになりますよね。

また、口に入れる回数も1日1回にはとどまらず、2回3回…と噛むケースもあります。そうなると、口に入れた回数分だけ倍掛けしなければなりませんよね。噛み方次第では文字通りの数字とはならないことが分かるかと思います。

他社の同様の商品でも同じ数値が当てはまるとは限りませんが、一見すると小さな数字でも、気が付けば大きくなってしまうことを肝に銘じるべきでしょう。

何故かカフェイン要素がよく見られる「板ガム」の不思議

さて、ガムの形状は粒だけではありません。板状のものもあります。粒ガムが主流になる前は板ガムが多く出回っていたのではないでしょうか。

粒も板も原材料は同じだろうと思ってしまうかも知れません。しかし、世の中に出回っている全てのガムを調べた訳ではありませんが、体感的に粒ガムよりも板ガムに「カフェイン要素」が多く含まれるような印象があります。

実際にある記述として「茶抽出物」「ウーロン茶抽出物」「カカオ抽出物」が見られました。いわゆる「チューインガム」に加え「風船ガム」でも含まれるケースがありました。

また、眠気覚ましタイプのガムだけにとどまらず、果物味のものや歯磨き代わりになるものでも入っているケースがありました。抽出物自体の味を感じることが無いだけに、こういったものが含まれていることに驚く方もあるでしょう。

「茶(緑茶を指すのか?)」「ウーロン茶」「カカオ」はいずれもカフェインを含むものですが、これらから抽出された物が、どういった意図で使われているのかは不明です。また、抽出物内に含まれるカフェインの量も分かりません。

ただ、こういったガムも「1日1枚しか絶対に噛みません」と言わない限り、摂取量が増えていくことは間違いありません。今一度、原材料欄をチェックし、どのように向き合うのかを考える必要がありますね。

どんなガムだったら眠気覚ましになるの?

ガムを噛んで眠気覚ましをと考える方は多いと思います。しかし「眠気覚ましタイプ」として販売されているガムは大抵、カフェインを含んでいます。カフェインを使わず眠気を覚ます方法を2つ提案いたします。

1つ目は「メントールの清涼感を利用すること」。ミント系のガムを噛み、鼻に抜ける香りや清涼感を利用して目を覚ますというものです。メントールは毒性が低いとされており、極端な辛さや量で無ければ、取り入れやすい方法だと考えます。

2つ目は「ガムを長く噛み続けること」。ガムの硬さや量などを調節して、噛む刺激を脳に伝えるようにするものです。粒ガムの場合、商品によっては1回につき2粒を噛むように指示されることもあり、1粒で噛むよりも長く噛み続けられるでしょう。

どちらの方法ともに「ガムで無くても叶うのでは?」と思われるかも知れません。しかし、手軽に両方を実現するのに最も有効なのは「メントール入りのガム」となるでしょう。

メントールが入ったタブレットや飴は、メントールの強さを感じられますし、舐めて楽しむとなれば多少は口にする時間は長くなるでしょう。しかし、噛んだ瞬間にバラバラと崩れますので、噛み続けることは叶いません。

それがメントール入りのガムとなれば、噛む量(粒ガムなら粒の数)を調節することで、メントールの刺激を感じながら噛む刺激も伝わります。バラバラと崩れないとなれば、長く噛み続けることも簡単に叶います。

もし取り入れるとなれば、適量を守りながら行うようにしたいですね。依存にならないように注意しましょう。ガムに限らず「しっかり噛む」ことで体内時計が整うという話もあります。意識的かつ集中して噛むことも大事かも知れませんね。

ガムで健康を調べる!? 歯科検診で登場する「咀嚼力ガム」とは?

2017年のこと、私が暮らす自治体が主催する歯科検診に足を運びました。その中で「咀嚼力(そしゃくりょく)」も見て貰うことになりました。

咀嚼力とは「噛む力」のこと。その際に出されたのが「キシリトール咀嚼チェックガム」でした。ロッテが製造し、株式会社オーラルケアが販売しています。

元々は緑色のガムですが、噛んでいくごとに赤く色づいていきます。歯科検診では、ガムを30秒ほど噛んで、ガムの色を見ていきました。結果は十分に噛む力があり、問題なしとのことでした。

この方法以外にも、決まった回数を噛んだ後の色を見て咀嚼力を調べる方法も取られるようです。また、噛み合わせや義歯のチェックにも用いられています。フルーツ味なので、子どもでも楽しく噛むことができるでしょう。

ガムの色が変化するのは、ガムに含まれるクエン酸や噛む前段階では発色しない色素などが唾液(だえき)に流れ出て、ガム内部のpH(ペーハー: 酸やアルカリなどの液性を示す)がアルカリ性に傾くと発色していくためとのことです。

色が赤く濃くなっていれば、咀嚼力は十分とのこと。もし不十分だった場合は、普段から「噛む」ことを意識して食事をすることが大事でしょう。その際にチューインガムを活用する方もあるかも知れませんね。

尚、キシリトール咀嚼チェックガムにはカフェインが含まれていないとのこと。ガムベースも歯につきにくいものとなっているので、心配な要素は軽減されていると考えられます。

今月のまとめ

かつては「みっともない」と言われることの多かったガムは、科学的根拠を得たことで市民権を得たように思います。今では特定保健用食品に認定されたガムや、歯科検診用に使われるものもあるほどです。

カフェインを気にされる方が最も不安視するガムのひとつが「眠気覚ましタイプのガム」ではないでしょうか。菓子メーカーの明治では、2019年現在、粒タイプのガム1粒に2.5mgのカフェインを入れたガムを販売しているとのことでした。

一見すると少なく見える眠気覚ましタイプのガムのカフェイン含有量ですが、1度に2粒以上噛んだり、回数多く口にしたりすると、その分だけカフェインを体内に入れてしまうということを忘れないようにしましょう。

厳密な数や理由は不明ですが、板状のガムは粒状のものよりもカフェイン要素を含んでいるケースが多く見られます。カフェインとは無縁そうな味のものでも見られるため、必ず原材料のチェックを行うようにしましょう。

ガムで眠気覚ましを考える際には、メントールの力を利用したり、長く噛み続けたりすることが有効ではないでしょうか。よく噛むことが体内時計を整えるとも言われており、ガムを適度に活用することで「しっかり噛む」習慣も付くかも知れませんね。

【参考ウェブサイト(ホームページ)】

明治 「XILISH(キシリッシュ)」ブランドサイト
同「お客様サポート(お問い合わせフォーム)」
株式会社オーラルケア
同「キシリトール咀嚼チェックガム」
同「キシリトール咀嚼チェックガム 説明書」(PDFファイル)