チョコレートの誘惑に打ち勝て 〜キャロブが味方になるかも知れない〜


私がカフェインを受け付けなくなった以前は、チョコレートを毎日のように食べていました。今でも「最後の晩餐は世界一美味しいチョコレートで」と断言するほど、大好きな食べ物です。

しかし、チョコレートを食べて呼吸困難や一時的な記憶喪失を起こした経験から、チョコレートはもう口にすることも無いだろうと諦めている節もありました。

そんな中「キャロブ」というものがチョコレートの代替品になるという話を見聞きしました。キャロブの粉やシロップは簡単に買えるものでは無いため、ハードルが高く感じられましたが、遂に身近な場所で買えるキャロブ商品が登場しました。

そこで今回は、さまざまな期待が寄せられている「キャロブ」を詳しく掘り下げ、実際に試した結果や注意事項などを一緒に見ていきたいと思います。

古代からの知恵 地中海の恵みに感謝

キャロブとは元々「イナゴマメ」というマメ科の植物で、さやの中にある果実を粉末にしたものを「キャロブパウダー」として使っています。

また、さやを果実ごと水に浸けて煮立てたものを「キャロブシロップ」と呼び、こちらも近年、広まりを見せているようです。

カルシウムや鉄、食物繊維が豊富であることに加え、血糖値や肝機能の改善に期待がかかる「ビニトール」という物質も含まれています。そのため、日本では「健康食品」という位置づけがなされています。

地中海沿岸の温暖な気候で育ち、高さ10m以上にもなるイナゴマメの木。イナゴマメは古代エジプトでも甘味料として使われ、イスラム教でも「ラマダーン」の際にイナゴマメを使った飲み物を口にすると言われています。

現在はアフリカ大陸でも栽培が行われ、健康食品としてだけでなく、食品添加物や化粧品の原料としても重宝されているとのことです。

さて、先ほど「甘味料」という言葉を出しましたが、その甘味は果肉全体に付いているとされています。現地ではコーヒーやココアの代用品として使われており、チョコレートの風味に似ていることから「チョコレートの代用」という考え方も生まれました。

キャロブ自体にはカフェインが含まれず「カフェインを含むからチョコレートを諦めた」と仰る方にとっても希望となり得る食品ではないでしょうか。

「キャロブ」はチョコレートと全く同じ…とはいかず?

キャロブはパウダーやシロップとして販売されるケースが多いのですが、それらを手に入れた方は実際にどのように使っていらっしゃるのでしょうか。料理レシピサイトの大手cookpad(クックパッド)で「キャロブ チョコレート」と検索してみました。

この時点で150近くのレシピが挙がりましたが、ケーキやクッキー、マフィンなど、焼き菓子のレシピが多いことに気づきました。生チョコレートやペースト、クリームなどは少なめで、火にかけないレシピは更に少ないという印象も受けました。

一説によると、キャロブに豊富に含まれる鉄分により「エグみ」を感じやすくなるとのこと。「金属っぽい味」とも「錆っぽい味」とも言えるかも知れません。少量で風味をきかせられる焼き菓子が多いのも合点がいきます。

混ぜ方に気を遣いすぎなくても良いクッキーやパウンドケーキは、お菓子作りの入り口として試しやすいでしょう。勿論、チョコレート風に仕上げるなど、キャロブを多く使うレシピもありますので、工夫次第で可能性が広がると言えます。

キャロブを使ったレシピで「ノンカフェイン」と掲げるものもありましたが、それ以上に「低GI」「●●(←砂糖、バター、小麦粉など)不使用」「マクロビ(マクロビオティック)」「ビーガン」などという言葉が多く出ていました。

アレルギー対応もそうですが、ダイエットや生活習慣病の対策とも取れる文言から、キャロブが担うものは大きいように思います。健康志向の強まりに後押しされる形で、キャロブが広がっているのを見て取れました。

時代は変わった、学校給食で「キャロブ」が出た!

チョコレートを「大好きな食べ物」に挙げる子どもは多いと思います。私も小学生時代のこと、学校給食でチョコレートクリームが登場した時は、手や口の周りを汚しつつも、とにかく残すまいと必死になりながら揚げパンにつけて食べたものです。

しかし、給食にチョコレートはそう頻繁に登場するものではありません。米を主体とした給食であれば、パンの登場機会自体が少ないです。また、チョコレートに「虫歯のもと」「糖分を摂りすぎる」などといったイメージもあり、給食への積極的な導入も難しいのかも知れません。

そんな中、東京都武蔵野市では「キャロブ」を使ったカスタードクリームを市内公立学校の給食として提供し、そのレシピを公開しています。そこではキャロブが「ノンカフェイン」であることも強調されています。

本記事初回投稿日(2019年8月15日)の直近で言えば、2019年6月4日に市立桜堤(さくらづつみ)調理場で作られた給食で「キャロブミルククリーム」として登場しました。献立表の中で、キャロブは「体の熱や力になるもの」と紹介されました。

「チョコレートの代わり」「ノンカフェイン」に加え、キャロブ自体にどういった働きがあるかを示すという点でも好感を持つメニューです。キャロブ以外の材料にアレルギーを持つ場合には難しい面もありますが、ある意味で可能性を広げた一品と言えるでしょう。

桜堤調理場で作られた給食は市内7つの公立中学校に提供されているそうですが、給食か弁当の選択制であるため、生徒全員がその日にキャロブを口にしたという訳ではないようです。それでも、こうした形での登場に驚いた方は多いのではないでしょうか。

時代は変わった、ドラッグストアで「キャロブ」が買える! 食べられる!!

ここまで「キャロブパウダー」や「キャロブシロップ」を取り上げましたが「お菓子作りは苦手だ」「パウダーもシロップもそう簡単に手に入るものではない」とお考えの方もあるでしょう。

そんな中、ドラッグストアのマツモトキヨシが、キャロブを使った「チョコレート風菓子」を開発し、2018年12月11日から販売を始めました。


それがこちらの商品です。私も2019年7月と遅ればせながらですが、購入することが出来ました。「matsukiyo LAB チョコレート風キャロブミルク」は、カフェインを含む「カカオマス」「カカオニブ」「ココアバター」を一切使わず、「カフェインゼロ」を実現しています。


個包装で8個入。個包装にも「チョコレート風キャロブミルク」と書いてあるので、それを開けなければ、他のお菓子と混ざっても大問題にはなりにくいでしょう。尚、今回の商品の分類は「菓子」であり、チョコレートでは無い旨が外装に明記されています。

私も早速いただきました。最初に驚いたのは、噛んだ時に「パキーン」と割れる食感でした。これは正にチョコレートです。低温で溶けやすく、グニャッと曲がりやすいキャロブをチョコレートらしくするのには相当な試行錯誤があったそうです。

それ故、口の中では徐々に溶けていく感じがあり、思ったよりも長く楽しめるという印象でした。

肝心の味ですが、最初のひと口では上述の「金属っぽい味」が若干あったように思います。ただ、それが強く印象に残るということはなく、次第にチョコレートの味と同じように感じていきました。ミルクが強めで程良い甘さがありました。

チョコレートを普段からよく食べる家族に出したところ、「チョコレートと言ってしまうには物足りないところがあるけど、どこかで食べたことのある味で、受け入れられやすいのでは?」と好感触でした。また「金属っぽい味はしなかった」とも話していました。

食べる人によって、味の感じ方は異なりますが、割とすんなり受け入れられる印象があります。幸いにも、この商品で体調不良を起こしておらず、継続して買うと決めました。ただ、8個入で300円弱と高級なので、頻繁に食べるのは難しい気もしています。

「キャロブだから」と安心してかかるのは早い

今回のマツモトキヨシの商品は、私にとって救いとなる商品でした。しかし、商品パッケージにはチョコレートと同じ製造ラインで作られている旨が綴られています。これは、ごく微量ながらチョコレートが混入している可能性を否定しないものとなっています。

また、カフェイン含有量については「0.01g(100gあたり)未満を0gとしています」となっているので、「その基準の計測器では引っかからなかった」と言うことも出来るでしょう。

これらのことを考えても、キャロブだからと安心しきるのではなく、少量ずつを間隔をあけて試すのが良いと感じています。また、キャロブ自体にアレルギー反応を起こすケースもあると言われており、注意が必要です。

2019年8月7日に、株式会社ロッテにて、乳成分を含む製品と同じ製造ラインで作られたチョコレートに、メーカー基準値を超える乳成分が含まれていたことが分かり、対象商品を自主回収するという報道がありました。乳製品アレルギーを訴えた方もあったと言います。

このような報道を見聞きすると、多少なりとも「気をつける」という姿勢が大事なのだろうと痛感させられます。

今月のまとめ

カフェインを受け付けないことにより、チョコレートを食べられなくなった方にとって「キャロブ」は可能性を秘めた食材と言えるでしょう。古くは甘味料として使われ、健康食品としても人気や注目が集まっています。

日本ではキャロブパウダーやキャロブシロップとして出回るケースが多く、これらを使った焼き菓子やクリームなどのレシピが紹介されています。中には公立学校の給食で使用した事例もあり、その広がりを見て取ることが出来ます。

キャロブを使ったチョコレート風菓子も出回るようになり、ドラッグストアのプライベートブランドから発売された商品は「100%チョコレート」とは言い難いものの、十分に代替品として機能するものでした。

但し、製造ラインやキャロブ自体のアレルギーのことを考えると、少量から間隔をあけながら試していくのが良いでしょう。また、一般的なチョコレートを思うと値段が高く設定されているので、たまの贅沢と位置づけるのも悪くないかもしれません。

参考ウェブサイト(ホームページ)

Wikipedia『キャロブ』
同『イナゴマメ』
同『チョコレートアレルギー』
cookpad『【みんなが作ってる】キャロブ チョコレートのレシピ』 (検索結果)
同『【学校給食】キャロブカスタードクリーム』 (武蔵野市 作)
武蔵野市『武蔵野市の学校給食の概要』
一般財団法人 武蔵野市給食・食育振興財団
同『月間献立表』桜堤調理場 2019年6月の献立 (PDFファイル)
マツモトキヨシ『pickup 新商品 ノンカフェインのチョコレート風?! お菓子が登場』
同 オンラインストア『matsukiyo LAB チョコレート風キャロブミルク』
ロッテ『お詫びとお知らせ』