拡大するノンカフェインティーの行方 〜優しいはずが厳しい世界に!?〜


2019年夏は、記録的な日照不足で冷夏になった地域がある一方、湿度の高さから熱中症の心配が尽きない状況にあると考えます。長雨(時に大雨)で、体調も気分もすぐれないと仰る方も多いのではないでしょうか。

口当たりがサッパリとした「ノンカフェインティー(カフェインを含まないお茶)」は、夏場にも大変重宝されるかと思います。中でも「麦茶」は日本を代表するノンカフェインティーで、夏の定番とも言えるお茶でもあります。

ひと口に「ノンカフェインティー」と言っても種類は豊富で、期待される効果や味も様々です。近年では、ノンカフェインティーの専門店が登場したり、テレビ番組で特集が組まれたりするなど、ノンカフェインティーを知るための情報が増えつつあります。

そこで今回は、改めて「ノンカフェインティー」との向き合い方を考え、楽しく、かつ、真剣に取り入れるための対策を一緒に見ていくことにしましょう。

麦茶の作り方は「基本に忠実に」

かつて、NHK総合で放送された『ためしてガッテン(現: ガッテン)』にて、昔ながらの香ばしい麦茶を楽しむ方法として「少量のインスタントコーヒーを加えると良い」と放送されました。リアルタイムで見た私は、言葉を失いました。

麦茶の魅力を挙げる際「ノンカフェイン」という言葉が多くの方から出るのではないでしょうか。子どもやご年配、体力の弱い方でも安心して飲めるということで、夏場は常備しているというご家庭も珍しくないでしょう。

もし、こうした理由で麦茶を愛飲している場合、カフェインを含む食品の代表とも言えるインスタントコーヒーを加えることは「脅威」としか言えません。「ノンカフェイン」という折角の魅力を台無しにする行為です。

それから数年が経った2019年7月17日のこと。同じくNHK総合で放送中の『あさイチ」にて、麦茶を含むノンカフェインティーの特集が組まれ、麦茶をもっと美味しく作る方法も紹介されるとありました。数年前の失望感が蘇らないことを願いながら、放送を観ました。

すると、そこで紹介された方法は「メーカーが指示する(商品パッケージに記載されている)作り方を忠実に守ること」でした。インスタントコーヒーに限らず、特別なアイテムを必要としないため、それだけなの?と呆気にとられるところもありました。

しかし、作り方をパッケージに記載しているということは、メーカーが様々な実証実験をした上で、自信を持って勧められる方法ではないでしょうか。それを我流に置き換えること自体が邪道なのでしょう。

水の量やティーパックを浸す時間を守る…番組内で試したところ、それだけで「100点満点の麦茶」と太鼓判が押されていました。ティーパックを引き上げる際、箸やトングなどを使って絞らないようにとの注意もありました。

個人的な体験から、麦茶は「足が早い飲み物」だという印象です。今回の放送を観て、必要な量をその都度正しく作ることが、美味しい麦茶をずっと楽しむ方法だと感じました。

「飲みやすくて飽きやすい」…そう言われると、どうしたものか

カフェインが味に与える影響として「苦味」と「渋味」があります。確かに、コーヒーには苦味がありますし、緑茶や紅茶などには渋味があります。カフェイン含有量が少なくなるにつれ、こうした味が薄くなるのは想像に難くありません。

それ故に、ノンカフェインティーは口当たりの良さに「飲みやすい」という印象を持たれやすい一方で「飽きてきた」という意見も少なくないことが、先日の『あさイチ』で紹介されていました。

私などノンカフェインティーしか飲めない者としては「飽きてきた」と言われると苦笑いや困惑の表情ばかり浮かびそうですが、そうした要望が出るということは、味にパンチや締める要素があって欲しいのかな?とも思うのです。

番組内では、近年人気が高い「ルイボスティー」のアレンジメニューが紹介されていました。他のお茶や食材とのブレンドが合うということで、ドライフルーツやオレンジジュースなどと合わせたレシピも紹介されていました。

これでは味にパンチや締める要素が出るでしょうし、合わせるものにカフェイン要素が無いので安心でしょう…が、毎日飲むお茶とするには無理があるように思います。カロリーや糖分、酸などを気にされる方は「ごくたまに」しか取り入れられないでしょう。

もし、上記のようなブレンドに抵抗があるようでしたら、無理のない範囲で複数のノンカフェインティーをローテーションさせながら楽しむのも手ではないでしょうか。ノンカフェインティー同士のブレンドが可能という場合もあるでしょう。

スーパーやハーブ専門店などでも、ノンカフェインティーの取り扱いが増えてきているので、こうした店を活用するのも良いでしょう。実店舗がお近くになくても、オンラインショップで対応出来るケースもあります。

また、NHKでの放送だったため、店名を大きく紹介することはありませんでしたが、東京都と神奈川県に6店舗を構える(2019年7月現在)”H&F BLEX(エイチアンドエフ ベルクス)”のような「ノンカフェインティー専門店」もあります。

お気に入りのノンカフェインティーがあっても、1つに偏らず、様々な種類を楽しんでみるのも良いと思います。

夏だからこそのノンカフェインティー

2018年7月、西日本豪雨災害があった一方で、猛暑が続きました。被災地での復興支援は、炎天下の中で続けられました。

復興支援として物資が送られる様子がニュースでも多く報じられましたが、飲料水として送られたものとして「緑茶のペットボトル」が多かったことに引っかかりを覚えました。余談ですが、炊き出しの「カレーライス」の多さも目に付きました。

緑茶は特に大手でなくても製造されます。それはつまり、安価で提供できることを意味します。大量に飲料水が欲しいという場合に重宝されるだろうというのは容易に想像できます。

しかし、猛暑で断水も発生した地域だと、カフェインによる利尿作用が強い緑茶は「危ない飲み物」になるでしょう。カフェインは脱水症状を起きやすくするのです。被災者だけでなく、復興支援に当たる方が緑茶を飲んでいる様子に、不安感が強まったものです。

『あさイチ』では、日本ティーコンシェルジュ協会の会長から「ノンカフェインティーにも利尿作用はあるが、自然によるもので問題ない(カフェインを含まないので、同じように心配することはない)」という話がありました。

ノンカフェインティーに緑茶のような強い利尿作用が無いとなれば、炎天下での復興支援にも持ってこいとなるでしょう。ペットボトルの麦茶であれば、製造するメーカーが多く、安価で入手できると考えます。

脱水症状(熱中症)対策としての「ノンカフェインティー」は、日常生活に取り入れても良いのではないでしょうか。近年は屋内でも熱中症になることが言われています。ノンカフェインティーだけで全てを解決できる訳ではありませんが、一助にすることはできるでしょう。

ノンカフェインティーの資格に大きな壁?

先に登場した「日本ティーコンシェルジュ協会」は、「薬に頼らない身体づくり」をコンセプトとし、ハーブティーやお茶、コーヒーなどを民間療法として使い分けるスペシャリスト(ティーコンシェルジュ)の養成にあたっています。

同協会で実施している資格取得講座は複数あるのですが、残念ながら、ノンカフェインティーに特化したものは無いそうです。どの資格でも「コーヒーやお茶の淹れ方」や「お茶のブレンド」など、カフェインに関わる学びが避けられないようです。

淹れ方やブレンドを学ぶとなれば、当然ながら「味わう(口にする)こと」も含まれます。カフェインを受け付けない方にとっては、こうしたことが大きな壁となるでしょう。

ハーブティーを中心としたノンカフェインティーに多く触れることになれば、その知識を何かに活かしたいと思う方もあるでしょう。しかし、資格で箔を…というのは中々難しいようです。

同協会では、資格取得を目的としない「お稽古」であれば、ハーブティーに特化した講座があるようです。他団体でもハーブティーに関する資格やそのための講座が多いとは言えず、普段の生活で楽しみながら自分の知識にするのが近道になっている感もあります。

今月のまとめ

近年、人気が高まっている「ノンカフェインティー」ですが、口当たりの良さと期待される効果から、普段の生活に取り入れる方が多くなっています。一方で「(味に)飽きてきた」という意見もあるとのことです。

ノンカフェインティーのアレンジメニューも様々に提案されていますが、毎日飲むことを考えた場合には、複数のノンカフェインティーをローテーションさせることも1つの案と言えるでしょう。また、麦茶のように「基本に忠実に作る」ことが美味しく飲めるケースもあります。

ノンカフェインであることの強みは様々にありますが、「夏」に限ってみた場合には、脱水(熱中症)対策になると言えるでしょう。ノンカフェインティー自体に利尿作用があっても、カフェインを含む飲み物と比べても軽いと言われています。

ノンカフェインティーに多く触れていくと、その知識を活かしたいと思う方もあるでしょう。ノンカフェインティー(特にハーブティー)に特化した資格取得講座は余り多くなく、自らが普段から味わって得た知識がより生きるかも知れません。

専門店も登場し、徐々に勢いを増しているノンカフェインティー。味の好みや期待したい効果は様々あると思いますが、お気に入りの品がいくつか見つかると、普段からの楽しみも増えるのではないでしょうか。

参考ウェブサイト(ホームページ)

NHK あさイチ「麦茶も手軽に大変身! ノンカフェインティーSP」(2019年7月17日放送)
H&F BELX
同 オンラインショップ
一般社団法人 日本ティーコンシェルジュ協会