カラカラになる口の中 〜カフェインが口臭を呼ぶ!?〜

ホッとひと息付きたい時に、コーヒーや紅茶、緑茶などを飲む方は多いと思います。特にコーヒーは、味に加えて「香りの良さ」が魅力に挙げられる傾向にあります。

しかし、香りが良いはずのコーヒーを飲んだら、口臭が気になったという経験をされた方も多いと思います。いわゆる「後口(後味)が悪い」という状態です。良いと思う香りは、摂取すると不思議と長続きしないものです。

コーヒーが口臭を招く原因は複数あると言われていますが、その中に「カフェイン」も入っていることが分かりました。そこで今回は、カフェインが口臭を招く理由や、その対策などを見ていきましょう。

口臭は口中の脱水症状から来る?

以前のマンスリーコラムで、カフェインの「利尿作用」で脱水症状が起きやすくなることを綴りました。これが夏場や運動中などで起きると、熱中症を悪化させる原因ともなります。

そもそも、口の中には「唾液(だえき)」があります。唾液が十分に分泌されれば、口の中は潤います。しかし、カフェインを摂取することで、唾液の分泌量が減ってしまい、口臭を悪化させると言われています。

唾液には様々な働きがありますが、ここでは「口臭を防ぐ」という働きに注目します。唾液があると、口の中に残った食べかすを洗い流したり、口から入ってくる細菌が繁殖するのを防いだりすることが出来ます。唾液が少なくなると、こうした働きが弱まってしまいます。

食べかすが残っていたり、細菌が繁殖しやすくなったりすると、それが「口臭」を悪化させることとなります。その場で歯磨きをしたり、ガムを噛んだりということが出来ると良いのですが、何もしない(できない)となると、口臭リスクは一層高まるでしょう。

コーヒーを飲んだ後で口の乾きを感じた場合、口の中を潤そうと再びコーヒーを飲んでしまうと、更に口の中が乾いてしまいます。唾液が少ないということは、口の中で脱水症状が起きているのと同じと考えて良いでしょう。そんな時に利尿作用があるカフェインを摂取するのは症状悪化につながります。

唾液の分泌量が少なく、口臭以外にも食べ物がのみづらくなったり、会話がしづらくなったりすると「ドライマウス(口腔乾燥症)」の疑いが強まります。口内炎や口角炎もドライマウスの症状に含まれるとのことですので、注意が必要です。

口臭は口中の血行不良からも来る?

カフェインが持つ作用のひとつに「血管収縮作用」があります。これを利用したのが一部の鎮痛剤で、血管を収縮することで頭痛を一時的に軽減しています。しかし、この作用が消えると、一気に血管が広がる(拡張する)ため、かえって頭痛を引き起こすなどの副作用もあると言われています。

血管を収縮させるということは、血液の流れが悪くなることにもつながります。口の中(歯茎や舌など)にも当然ながら血管がありますので、カフェインを摂取することで口の中の血流も悪くなると想像できるでしょう。

歯茎の血流が悪くなると、酸素や栄養が行き渡りにくくなり、口の中に入った細菌(特に悪玉菌)に対する抵抗力が弱まると言われています。これもまた、口臭を引き起こす要因となっているのです。

血流が悪いとなれば、当然ながら水分の巡りも悪くなることでしょう。脱水症状に加えて血行不良ともなれば、口の中に限らず、様々なリスクにさらされることになります。

口臭は口中の緊張状態からも来る?

人前で発表をする際、緊張状態から口の中が乾いてしまったという経験は多くの方がされたことでしょう。また、絶叫マシーンに乗っていて、興奮状態から口の中が乾いたことがある方も多いでしょう。こうしたことから、心理状態が唾液に影響することが分かるかと思います。

実はカフェインには「興奮作用」があります。また、カフェインを摂取すると神経が緊張状態になることも言われています。ホッとひと息のつもりでも、カフェインを含むものを摂取すると、交感神経が優位に働き、興奮や緊張状態となって、唾液が出にくくなるのです。

唾液が少なくなれば、上述にもある脱水状態へとつながります。こうして、さらに口臭が酷くなってしまうと言うのです。唾液が十分にあると口の中は中性となりますが、唾液が少なくなると酸性に傾きます。酸性になると口臭に加えて虫歯のリスクも高まります。唾液が如何に重要であるかが分かりますね。

尚、ここまで「カフェイン」に注目していますので、コーヒーの他、緑茶や紅茶などにも同様のことが言えるでしょう。また、空腹時に摂取するカフェインは胃液を大量に分泌させて胃を荒らすことから、これも口臭の一因になるとも言われています。

カフェインが持つ「口臭悪化リスク」はかなりのものということが分かりますね。

口臭を減らすために出来ること

カフェインを摂ることで起こる口臭を抑えるには、どうすれば良いでしょうか。「単純に、カフェインを摂取しなければ良いのでは?」と思いがちですが、その中でも注意したいことがあります。

カフェインを含まなくても、口臭を引き起こすものは多くあります。例えば「糖分」は細菌のエサになりやすく、口臭を悪化させる要因となります。また「酸」も同様のことが言われます。虫歯リスクも高まることから、私もかつて、通っていた歯科医院で、糖分と酸に注意するよう言われたことがあります。

そう考えると、カフェインを含むものの代わりにジュースを飲むのは口臭対策にはならないでしょう。牛乳も口臭リスクを高めるという記述もあります。飲むのであれば「水」が1番理想と言えるでしょう。脱水症状を抑え、カフェインを体外から出しやすくもします。

水だと味気ないと感じる方は「ノンカフェインティー」を飲むことも対策になるかと思います。その際、糖分が高いものを避け、砂糖や牛乳などを足さないようにしたいですね。

唾液を出しやすくするには「固めの食べ物」を食べたり「ガム」を噛んだりすることが良いとされています。この場合もカフェインを含まないものを選びましょう。ガムは口の中の掃除にも使えますが、糖分やカフェインを含まないものを選びたいものです。

唾液を出しやすくするためのマッサージやトレーニングもあるようですが、笑ったり話したり歌ったりして「口を大きく動かす」ことで、唾液が出やすくなると言われています。これなら日常的に取り組めますね。

口の中を掃除する際、「歯磨き」に加えて「マウスウォッシュ(洗口液)」を使うことも推奨されています。先述の歯科医院からは、どちらか一方だけだと「やった気分になる」傾向が強まるとの話がありました。くれぐれも、カフェイン要素を含まないものを選びましょう。

いずれにせよ、ちょっとした心がけで口臭リスクを下げられると思います。

今月のまとめ

香りの良いコーヒーも、飲むと後口が悪くて口臭が気になった…そういった経験をされた方は多いと思います。口臭につながる要因は様々ありますが、コーヒーに含まれる「カフェイン」も口臭を引き起こすもととなっていました。

カフェインの利尿作用や興奮作用で唾液の量が減ってしまうと、食べかすや細菌の影響で口臭が強くなると言われています。また、血管収縮作用で歯茎の血流が悪くなると、細菌への抵抗力が弱まって口臭リスクが高まることも分かっています。

他にも、空腹時に摂取するカフェインは胃液を多く分泌させ、胃を荒らすことで口臭につながると言われています。コーヒーに限らず、カフェインを含むものには、こうしたリスクがあることを覚えておきましょう。

糖分や酸を含まない飲み物を摂取したり、固いものやガムを噛むことで唾液を出しやすくすることができます。また、口をしっかり動かすことで唾液が出やすくなります。歯磨きの際には、マウスウォッシュも使うと良いでしょう。

カフェイン以外にも口臭となる要因は様々あります。また、唾液が出にくくなる「ドライマウス」など、病気が潜んでいるケースも考えられます。気になる症状がある場合には、医療機関に行くことをお勧めします。

参考ウェブサイト(ホームページ)

Wikipedia 『カフェイン』
macaroni 『コーヒーが口臭の原因!? 予防する飲み方と臭いを消す4つの方法』
産経新聞 『【教えて!goo】いい香りだったはずなのに… コーヒーを飲んだ後、なぜ口臭が発生するのか?』
キューピー 『一人何役? 唾液の働き』